こころの病気(専門編) |ハートクリニック町田

選択性緘黙

診断基準:ICD-10

診断の前提となるのは、以下の3つのことである。

  1. 正常あるいはほぼ正常な言語理解能力の水準。
  2. 社内的コミュニケーションに十分な表出性言語能力の水準。
  3. ある状況において正常あるいはほぼ正常に話すことができることが明らかなこと。

しかしながら選択的緘黙の小児のうち、言語発達の遅れか発音の障害の既往をもつものが少数ある。診断は、もし有効なコミュニケーションにとって適切な言語をもちながら、ある状況では流暢に話すが異なった状況では緘黙あるいはほとんどそれに近い、というような社会的背景に応じた言語使用の大きな不釣合がみられるならば、この問題があるということになり、そのことでくだされる。また、ある社会的状況では話せないが、他の状況ではそうではない。診断には一定時間持続して話せないこと、話せる状況と話せない状況に関して一貫性があって予想できることが必要である。

大部分の症例で他の社会的情緒障害が認められるが、しかし診断に必要な特徴の一部とは限らない。このような障害は一貫したパターンで続くわけではないが、異常な気質特徴(とくに社会的過敏性、社会的不安、社会的引きこもり)はふつうにみられ、反抗的な行動も起こる。

診断基準:DSM-5

A. 他の状況では話しているにもかかわらず、話すことが期待されている特定の社会的状況(例:学校)において、話すことが一貫してできない。

B. その障害が、学業上、職業上の成績、または対人的コミュニケーションを妨げている。

C. その障害の持続期間は、少なくとも1カ月(学校の最初の1カ月だけに限定されない)である。

D. 話すことができないことは、その社会状況で要求されている話し言葉の認識、または話すことに関する楽しさが不足していることによるものではない。

E. この障害は、コミュニケーション症(例:小児期発症流暢症)ではうまく説明されず、また自閉スペクトラム症、統合失調症、または他の精神病性障害の経過中にのみ起こるものではない。

※参考文献

『ICD-10 精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン(新訂版)』(医学書院)

『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(医学書院)

『カプラン 臨床精神医学テキスト』(メディカルサイエンスインターナショナル)

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