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アスペルガー症候群

F84.5 アスペルガー症候群

Asperger’s syndrome

 

疾患の具体例

12歳、男子。幼児の頃から他の子どもと一緒に遊ばず、一人で同じ遊びを繰り返していました。知能や言葉に後れはありませんが、一般的に「暗黙の了解」とされていることを理解できず、冗談や皮肉も通じません。自分の興味のあることには没頭し、それについての話をいつまでも続けるため、周囲が困惑することがよくあります。「太っているね」「変な服だね」などと思ったことをそのまま言ってしまうこともあり、学校で孤立し、いじめにあっています。

 

特徴

アスペルガー症候群は、1944年にオーストリアの医師ハンス・アスペルガーによって名付けられた障害です。知能の発達は正常で言葉の後れもないものの、対人関係を持つことが苦手で、奇異な行動をすることなどを診断的特徴としていました。

2013年に発行されたアメリカ精神医学会の診断と統計マニュアル「DSM-5」では、アスペルガー症候群という診断名を廃して、他の自閉性障害などと一緒に「自閉スペクトラム症」という名称に統一されました。そのため、医療の現場ではアスペルガー症候群という診断名はあまり使われていません。しかし、一般社会では現在でもアスペルガー症候群の名称が使われることが少なくありません。

DSM-5より以前に発行されたWHOの診断ガイドライン「ICD-10」では、アスペルガー症候群の名称で解説しています。そこには、「疾病分類学上の妥当性がまだ不明な障害」と断った上で、以下のような特徴を挙げています。

  • 関心と活動の範囲が限られており、関心のあることは何度も繰り返し行動します。
  • 自閉症と同じように、社会的関係を持つことが障害されています。
  • 言語や認知の発達は正常という点で、自閉症とは異なります。
  • 全体的な知能は正常ですが、著しく不器用である場合が多く見られます。

 

有病率

男の子に多く見られ、男女比は約8:1です。

 

経過

患者さんによって予後はさまざまですが、大人になっても障害が続く傾向が強いとされています。子どもの頃にアスペルガー症候群と診断された人は、おしゃべりで知的な大人になると言われています。しかし人付き合いが苦手で、内気だったり、非論理的な思考を示したりすることが多いとされています。知能指数が正常範囲内で、高い社会的能力がある場合は、良好な予後を送る傾向があります。

 

原因

原因は不明ですが、自閉性障害との関連を示唆する研究報告があり、遺伝、代謝、感染、周産期に関係すると推測されています。

 

治療

患者さんの適応機能のレベルによります。重い社会機能障害(例:攻撃的な行動をとるなど)のある場合は、自閉性障害で用いられる治療法が用いられることがあります。

 

診断基準:ICD-10

診断は、言語あるいは認知的発達において臨床的に明らかな全般的な遅延がみられないことと、自閉症の場合と同様に相互的な社会関係の質的障害と行動、関心、活動の、限局的で反復的常同的なパターンとの組合せに基づいて行われる。自閉症の場合と類似のコミュニケーションの問題は、あることもないこともあるが、明らかな言語遅滞が存在するときはこの診断は除外される。

 

診断基準:DSM-5

記載なし

 

※参考文献

『ICD-10 精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン(新訂版)』(医学書院)

『カプラン 臨床精神医学テキスト』(メディカルサイエンスインターナショナル)

厚生労働省 eヘルスネット

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