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こころの病気の用語

神経衰弱

神経衰弱は、かつて多くの国々で病名(診断名)として扱われていましたが、現在では「文化結合症候群」(特定の国や地域、民族、文化環境において発生しやすい精神障害)の一つと位置づけられています。

もともと神経衰弱は、アメリカの医師ビアドが1868年以降に提唱した概念で、神経過敏、頭痛、めまい、神経痛、不眠、消化不良、疲労感、心気的訴え、集中力低下、記憶力低下など50を超えるさまざまな症状を意味していました。当時のアメリカは急速な経済発展を遂げており、人々は個人的な感情を抑えて、スピーディーかつ大量に仕事をこなすことを求められるようになりました。そうした社会的な要因が「神経の力」を減少させるために生じる病気と考えられていたのです。

 

その後、ヨーロッパや日本、中国などにも神経衰弱の概念は受け入れられましたが、ヨーロッパや日本では20世紀のうちに診断名として用いられることはほぼなくなりました。神経衰弱ではなく、うつ病などと診断されるようになったためです。

WHOの診断ガイドライン『ICD-10』には、「その他の神経症性障害」のなかに神経衰弱の項目が残されています。そこには、「さまざまな施設で行われた調査では、神経衰弱と診断された患者は、かなりの割合でうつ病、不安状態にも分類しうることが証明されている」と書かれています。しかし、どの病気の診断基準にも該当せず、神経衰弱の診断基準をすべて満たすような症例も存在するそうです。神経衰弱の診断基準は、何か努力をしたあとに、精神的あるいは肉体的な苦痛や疲労感、衰弱などが続き、他の疾患の診断基準に該当しないことを特徴としています。

 

ICD-10における神経衰弱に当てはまる患者さんは、中国などに多く存在すると考えられています。『中国精神疾患分類』(CCMD)では、神経衰弱について「衰弱」(例:精神的疲労)、「情動」(例:いらいらした感情)、「興奮」(例:増える回想)、「神経痛」(例:頭痛)、「睡眠」(例:不眠)という5つの症状のうち3つで構成される症候群と定義されています。中国の伝統的な解釈では、慢性的な欲求不満や苦痛、社会的・対人的ストレスにさらされた結果、神経衰弱が生じるとされています。

 

※参考文献

『ICD-10 精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン(新訂版)』(医学書院)

『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(医学書院)

『カプラン 臨床精神医学テキスト 日本語版第3版』(メディカルサイエンスインターナショナル)『現代精神医学事典』(弘文堂)

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